栃木県弁護士会からのお知らせ

集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に抗議し撤回を求める会長声明

 平成26年7月1日、政府は、徒前の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行った。
 しかし、集団的自衛権の行使は、他国間で武力攻撃が発生した場合に、日本に対する武力攻撃がないにもかかわらず日本が一方に加担し、他国の防衛のため自衛隊の派遣と武力行使を容認するものであり、平和主義を定める日本国憲法の基本原則から到底許されるものではない。平和憲法は国際社会から高く評価され、私たち日本国民の誇りである。
 また、各種の世論調査でも、集団的自衛権の行使容認に反対の意見が多くを占めているうえ、いまだ国民の間で集団的自衛権についての十分な議論が尽くされているとは到底言えない状況である。今回の閣議決定は、主権者たる国民の意思を反映していないなか、国民への十分な説明さえ行わずいっときの政府が拙速に決定したものであり、立憲主義・民主主義に反するものである。
 戦争は、人が人の生命を奪うものであり、人権侵害の最たるものである。今回の閣議決定は、日本が最大の人権侵害である戦争を行う道を開くものであるし、国民の平和的生存権を奪うことにも繋がり到底許されない。
 当会は、2014(平成26)年3月27日、「集団的自衛権行使の容認に反対する会長声明」を公表したが、今回の明らかな憲法違反閣議決定に対しても、断固抗議し、政府に対して即時撤回を求めるとともに、今後予想される本閣議決定を前提とする違憲の立法等に対して、これを阻止すべく取り組むことを表明する。

 2014年(平成26年)7月7日
栃木県弁護士会    
会 長 田 中  真