栃木県弁護士会からのお知らせ

労働者派遣法一部改正案に反対する会長声明

 政府は、平成26年3月11日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案(以下「本改正案」という。)を閣議決定して、同日付で国会に上程した。
 当会は、平成21年6月25日に「労働者派遣法の抜本的改正を求める会長声明」を発表し、労働者派遣法について、派遣労働者の雇用と生活を安定させるために、雇用の原則はあくまでも直接雇用であることを明確にすること、派遣対象を専門的な業務に限定することなど、労働者派遣法の抜本的改正を求めてきた。
 しかし、本改正案は、上記声明と逆行するもので、派遣先が労働者派遣を恒常的な業務に永続的に利用できる仕組みとなっており、到底認容できない。
 本改正案は、\賁脾横橋伴錣砲茲覿菠を廃止する、派遣元で無期雇用されている派遣労働者や60歳以上の派遣労働者等について、業務にかかわらず派遣期間制限から除外する、G標元で有期雇用されている派遣労働者について、同一の組織単位における同一の派遣労働者の派遣期間の上限を3年とし、派遣先が3年毎に過半数労働者組合等から意見を聴取すれば、同一の事業所においてその後も継続して派遣労働者を利用できる、で標期間の上限に達した派遣労働者の雇用安定措置を盛り込むというものである。
 上記改正がなされれば、無期雇用派遣であれば無期限に派遣労働者を受け入れることが可能となり、直接雇用者が派遣労働者に置き換えられることが容易に想定される。さらに、有期雇用派遣については、専門的業務に限らず派遣労働の恒常的な利用が可能となり、派遣労働の拡大化が進行してしまう。また、雇用安定措置も努力義務や配慮義務とされており、実効性があるものとは到底評価できない。
 その結果、直接雇用から労働者派遣に雇用形態の移行が進み、派遣労働は今後、臨時的・一時的な労働力の需給調整という原則を完全に失い、一般的な就労形態となり、派遣労働者のみならず、労働者全体にとって、雇用と生活を不安定にする危険性が高い。
 よって、当会は、改正案に強く反対するとともに、上記声明で述べた方向性での労働者派遣法の抜本的改正を行うよう改めて求める。

平成26年4月24日
栃木県弁護士会
会長 田中 真