栃木県弁護士会からのお知らせ

パブリックコメント(「法曹養成制度検討会議・中間的取りまとめ」について)

 々猗
 第1法曹有資格者の活動領域の在り方
◆^娶内容
 現在の司法試験受験者及び法科大学院志望者の激減に対する処方として,法曹有資格者の活動領域を拡大するという方策は適切でない。
 理由
 法曹有資格者とは、司法試験合格者を指し、必ずしも弁護士資格を取得している者に限定されない(法曹の養成に関するフォーラムの論点整理)。すなわち、任官、任検せず、また弁護士登録をしない司法試験合格者というものの存在を認めることは,法曹を法廷弁護士と法廷外弁護士に区分するようなものであり,そのような存在を我が国で認める実益があるのか非常に疑問である。
 我が国においてはこれまで争訟性のある事案の処理を行う専門家として法曹が認知,認識されており,そのような争訟性のある事案の処理の経験のない法曹有資格者を必要とする需要があるのか大きな疑問である。
 むしろ、率直に、司法試験に合格し、かつ、二回試験に合格しながら、任官、任検せず、また弁護士登録をしない少なからずの法曹有資格者が出てこざるをえない原因等に目をむけるべきと考える。
 そのことが、現在の司法試験受験者の激減、法科大学院志望者の激減に対する処方となるものである。

 々猗
 第2今後の法曹人口の在り方について
◆^娶内容
 当面の間,年間1、000人以下に引き下げる数値目標を設定し、実際に必要な法曹人口を適宜検証しながら、より適正な人数まで引き下げることを目指すべきである。
 理由
 栃木県弁護士会においては、既に、2009年(平成21年)5月30日、「適正な弁護士人口に関する決議」を採択し、そのなかで、司法試験合格者を年間1、000人程度まで減少させるべきであると提言している。その後の弁護士人口の激増は、2009年当時に危惧していたことが現実となったものである。そもそも、平成14年3月19日に閣議決定された司法制度改革推進計画において、平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3、000人程度とすることを目指すとされたが、その根拠も明確でなく、目標自体が誤りであったことは既に明白となっている。
 中間的取りまとめにおいては、「現時点において、司法試験の年間合格者数を 3、000人程度とすることを目指すべきとの数値目標を掲げることは、現実性を欠く。」としているが、その認識自体は正しい。しかし、「現状においては、司法試験の年間合格者数の数値目標を設けないものとすることが相当である。」としているが、二回試験を合格しても弁護士登録しない、あるいは出来ない人数が増えている現状からは、むしろ、当面は年間1、000人以下に引き下げる数値目標を設定し、実際に必要な法曹人口を適宜検証しながら、より適正な人数まで引き下げることを目指すべきである。

 々猗
 第3の1(3)法曹養成課程における経済的支援
◆^娶内容
 即時に司法修習生の給費制を復活し、不利益を被った新司法65期の司法修習修了者に対しても遡及的に支給すべきである。
 理由
 司法修習生に対する給費制が廃止され、貸与制に移行することにより、司法修習生には相当程度の負担となっている。
 抑も,司法は社会の正義を実現し国民の権利擁護のための最終のセイフティ・ネットである。その担当者である法曹の養成は国民の要請でもあり,国家として適切な制度を構築することは国家の責務である。即時、給費制を復活し、しかも遡って、新司法65期の司法修習修了者から支給すべきである。

 々猗
 第3の3(1)受験回数制限
◆^娶内容
 受験回数制限は、直ちに撤廃すべきである。また、法科大学院卒業が、司法試験の受験資格をされていること、の理由についても徹底的に検証すべきである。
 理由
 法科大学院制度が創設される以前から、法科大学院教育は実務との乖離しており、授業料が高額であることから法曹への途を閉ざすことになる、との批判がなされてきた。その後の推移は、まさにその批判が的中したものと言える。
 法科大学院制度が存続するとしても、その教育効果は低減していくとの理由から受験回数を制限することには何らの実証的な検証もなされておらず,受験回数制限は、直ちに撤廃すべきである。また、法科大学院卒業が、司法試験の受験資格をされていること、の理由についても徹底的に検証すべきである。
 法科大学院制度の創設にあたっては、多様な人材を法曹に確保することがあげられたが、現状を見ると、その教育期間の長期化も相まって,経済的余裕のある人材しか法曹を目指すことが困難になり,法曹希望者が激減していると言わざるを得ない。旧制度の方がむしろ多様な人材を確保していたものである